みみよりブログ

くまのぼりす

絵本

こんにちは。
きょうは、あたらしく発売になる絵本のご紹介です。

ブルーナさんは、うさこちゃんの絵本を描き始めてから30数年ののち、
くまのおとこのこが主人公となるお話をつくり始めました。
その最初のタイトルは、「くまのぼりす」(福音館書店・まつおか きょうこ 訳)。
この度、その1冊が福音館書店よりブルーナ絵本新装版の仲間入りをして発売されることになりました。

boris ehon


くまのなまえは、ボリス。
ボリスはひとり、森の中で暮らしています。
冬が近づく気配を感じて、その一日が始まります。

“薪の用意をしなくっちゃ。”
森のなかでちょうどよい木の枝をみつけてきました。
力もちのボリスは、その太い木の枝を家まで運びます。
さてそれから、また力しごと。その木を短くのこぎりで切ってゆきます。
きれいに積みあげておくのは、かぜを通して木を乾かすため。

ひと仕事終えたボリスは、シャワーで汗を洗い流してすっきり。
お手製のトマトスープでおなかを満たします。
そしてそれから、
薪で暖めた部屋のなかで、本を読みながら眠るまでの時間を過ごします。


ボリスの絵本の誕生のきっかけについて、ブルーナさんはこんな風にお話ししていました。
“このお話は、南フランスでの休暇中に生まれました。
そこは、ぶどう畑が広がる丘陵地帯で、近くには小川も流れる、緑の豊かな静かな場所です。
ぼくはその場所をとても気に入り、小さな家をかりてしばしばそこで仕事をしていたのですが、
いつしか美しい森での暮らしを絵本にしてみたいと思うようになったのです。”
(「ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーのこと」(講談社) より)
boris ehon
(「dick bruna」 より )


ボリスの暮らす森。
トマトスープが似合うところ。
南仏にふりそそぐ太陽のよう。
いちにちの時間が小川のようにゆっくりと流れてゆきます。 
boris ehon

ボリスの一日を追いながら、いつの間にか贅沢な気分に浸ってしまう、
そんなお話です。ぜひ新訳とともにじっくりと味わいくださいね。


『くまのぼりす』
ディック・ブルーナ 文・絵 
まつおか きょうこ 訳
福音館書店 より 
2013年4月10日 発売
*「お知らせ」のページ https://www.dickbruna.jp/news/201303/1616.html