みみよりブログ

ナインチェ、と呼びました。

日記

こんにちは。

それは、あたたかな夏の夜のこと。
ブルーナおとうさんは、まだ歩きはじめたばかりのちいさな息子に、子うさぎのお話を作り、語りはじめました。
野生のうさぎがいつもそばにあったふたりにとって、それは自然と物語にとけあいました。

お話の主人公、この子うさぎのことを、ブルーナさんはいつもこう呼びました。
「ナインチェ」と。
ちいさなうさぎのうさちゃんを意味するオランダ語です。

ブルーナさんはこのお話を絵本にしようと、うさぎのスケッチを重ねます。
さいしょは、正確にその姿を写しとりました。そして、そこから不要なものをのぞき、
必要なものだけを線に描いてゆきます。
こうして生まれた子うさぎのすがた。
下の絵をごらんください。

ナインチェ

うさぎとわかりましたか?
本物のうさぎとはすこしちがうみたい、でもね、うさぎさんだ。

そう感じたのなら、大成功。それがブルーナさんの描きたかったイメージなのです。
”ミッフィーをはじめて描いたとき、うさぎとはわかるのだけど本物のうさぎとはまったくちがう形にしたいと思いました。”と、ブルーナさん。
それは、まっすぐこちらを見つめる現在のミッフィーが生まれる前に描かれていた、ミッフィーの最初の姿でした。

ナインチェ

とりわけやさしさにこだわった最初の「ナインチェ」の絵本。
やわらかな感じを出すために、ラインはフリーハンドで、わざとラフに描いたそうですよ。

ナインチェ
*注:イラストはディック・ブルーナさんが描いたものではありません。

おとうさんと息子の間に生まれた子うさぎ「ナインチェ」。
眠りにつく子をやさしく包み込むようなあたたかいお話が、
首もとまでふとんをかけてあげる、あのやさしい手の仕草とかさなりました。


さて、そんなふわふわのやさしさを連れてきましたよ。
ミッフィー60thアニバサリーに、この「ナインチェ」がぬいぐるみになりました。
ナインチェ

「ナインチェ」のどこかアンバランスな魅力にどうしても惹かれてしまいます。
ナインチェ

*「60th 1955 Nijnte(miffy)」(セキグチ
ぬいぐるみ 3,500円+税・お手玉 1,800円+税 

参考図書:dick bruna  ISBN 90-400-8342-8 www.waanders.nl
・「ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーのこと」(講談社 2005年)
・「50 years with miffy ミッフィー展」図録(朝日新聞社 2005年)


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